冠詞

ところで、上記の例文(1)での le は公式語定義リストである cmavo.txt では


le LE the described non-veridical descriptor: the one(s) described as ...
となっていて、これは冠詞といっていいものであるけれども、自然な言語の冠詞とは異なる性質をもつものであることは、ウィキブックス(ja)/ロジバンの説明する通り。"djacu plini" のような述語 (brivla) は、このような冠詞がつくことによって、項に挿入できる句として扱えるようになる。
この冠詞は the described 表現されたもののための冠詞であり、かつ non-veridical 真実とは限らない、客観性に基づいていない認識であることを表す際に用いられる。
(1)の例の、「水的な星」という日本語解釈は客観的かと言うと、陸の上、乾燥した地域もあるし、水というより氷に閉ざされた場所も存在することから、主観的といえる。

何が素晴らしいか。それは、自然言語の底流を流れる、「名は体を表す」という概念を、さわやかに否定しているところ。(構造的な)曖昧性の排除から危惧されるところの解釈の一意性を回避する道か。